茶事
2010年8月20日
茶事(ちゃじ)とは、茶の湯で、懐石を伴った客のもてなしのこと。茶会の食事「懐石」は、亭主が一皿づつ給仕をします。「懐石」の名前の由来は、禅寺で修行僧が温かい石を懐(ふところ)に入れて空腹をまぎらわせた、その程度の軽い食事と言う意味から来ています。言葉の意味から、元々豪華な高級料理ではありません。折敷(飯椀・汁椀・向付・利休箸)、煮物椀、焼き物、預鉢・炊き合わせ、強肴(しいさかな)、箸洗・小吸い物、八寸、湯桶・香の物、縁高(ふちだか、生菓子)・黒文字、濃茶・・・と続く。ほんの少しずつ亭主が吟味して、器なども考えておもてなしをします。そんな心のおもてなしの席にふさわしいお料理です。冨田屋では、明治時代から茶会はよくしていたようで、今は、お昼なので懐石までは行かないですが、蔵の中から出してきた輪島塗や春慶塗などの「点心」といわれるお弁当箱に入ったさまざまなお料理をお出ししています。おばあさんは、豪華な鯛や海老でなく、旬のお野菜のいいとこだけを生の味を生かしてお出しすることが本当のおもてなしであると言っていました。今もなお、その精神を変えず、心を受け継いで愛情だけは何処にも負けない手作りのお料理を一生懸命作っています。おばあさん!頑張ってるでしょ。いつまでも、見ていてね。