坪庭の椿
2011年2月9日
寒い朝、ふと庭に目をやると、凛とした深紅色の花が薄暗い庭に光っていた。想紅〔おもいくれない〕寒椿の深い紅を見ながら、いつまでも気品の中に溢れるばかりの情熱と潔さを忘れず夢に向かって人生を謳歌しないとね・・・椿は、学名カメリア・ジャポニカで原産は日本。東洋の薔薇と呼ばれその姿は世界に広まった。枯れかかった姿を残さす、首からポロリと落ちる姿は、侍も想像させる日本の心を表しているのかな・・・一輪摘んで、茶室の床にいけました。庭から差し込む光で深みのある紅色がうっすらピンクにも見えて、優しさが茶室に広がった。たった一輪の花がその場の雰囲気までも変えてしまう。茶室に限らず、そうなのです。心豊に生きるということはそんなものでしょうね。1年の移り変わる軸や季節のしつらえ、お茶菓子や器の数々・・・心に残る、ほっとさせるおもてなしを昔は当たり前になされていたのです。忙しい現代こそ、必要なものかもしれません。