すずむし
2010年8月22日
夏の終わりから秋にかけて、“リィーン、リィーン”と鈴のような心地よい鳴き声を聞かせてくれる鈴虫。
鈴虫の鳴き声が、月から降りてきた美しい鈴の音のようであることから「月鈴子」とも呼ばれている。
「枕草子」にも書かれているように、江戸時代からすでに飼育されて売られていたようですね。
高音の泣き声は、闇の中で響き、暗闇の救世主のようです。こんな夜は、穏やかな優しい気持ちにさせてくれます。虫かごの中で孵化し短い間、秋風を誘うような、夏の風鈴の終わりを告げるように心地よく良く響く。
昨年の虫かごの中から、土の中で命をいただき蓄えて今年も鳴いてくれると信じています。
願い事を一つだけ叶えるという「幸福地蔵」のある華厳寺別名「鈴虫寺」では、1年中鈴虫が鳴いている。
美しい響きに包まれたお寺は、入ったとたん幸せな気分になるような・・・
生き方を考える。虫のように短かい人生、でもその間人の心を幸せにしてくれる。無心で精一杯鳴きつづける。
その時の自分の役目をわかっているようで・・・
私たち日本人の心の中にはいつの時代も情緒あふれる鈴虫の鳴き声が鳴り響いているのではないでしょうか