相国寺(しょうこくじ)は金閣寺(鹿苑寺)や銀閣寺(慈照寺)をはじめとして、約90の寺を擁する臨済宗相国寺派の大本山で、山号万年寺、正式には相国承天禅寺といいます。
本尊は釈迦如来で、室町幕府三代将軍の足利義満が後小松天皇の勅命をうけて、春屋妙葩・義堂周信の両僧と計画し、明徳3年(1392)に完成した広大な寺院です。
夢窓疎石を開祖として建立され、春屋妙葩が二世として入寺、仏殿の建立・寺観の整備が行われました。
その後、応仁の乱の戦火によって焼失してしまいますが、度重なる災害にも関わらずに、多くの高僧を世に出し室町時代の禅文化に大きく貢献しました。
その後、豊臣家の庇護を受け、慶長10年(1605)には豊臣秀頼が現在の法堂を建立しました。
また、徳川家康も三門を寄進するなど再建されていきましたが、天明の大火によって、法堂や浴室、一部の塔頭などを除いてすべて焼失してしまいます。
高さ109メートルと伝えられる七重塔も落雷で焼失したと言われています。
しかし、文化4年(1807)に桃園天皇の皇后である恭礼門院の旧殿を賜わった際、それを開山塔として再度建立、方丈や庫裏も甦りました。
相国寺の法堂は、桃山時代の遺構で、仏殿を兼ねています。法堂の遺構としては最古で最大の規模であり、入母屋造りの唐様建築で、本尊の釈迦如来および脇侍は運慶の作と言われます。
また、鏡天井に描かれた「蟠龍図」は狩野光信の作で音に共鳴する鳴き龍として知られている重要文化財。
見る角度によって龍の顔や眼が動くように見えたり、この絵の下で手をたたくとその音が共鳴し、その音があたかも龍が泣く声に聞こえたことからそう呼ばれるようになりました。
法堂北側の方丈は、内部に美しい襖絵が描かれていて、方丈としては大規模な建築です。
この方丈の裏側に「裏方丈庭園」と呼ばれる庭園があります。
相国寺は京都五山の上位にも列せられています。
住所
京都市上京区今出川通烏丸東入相国寺門前町
電話番号
075-231-0301