京都御苑の南西、五摂家のひとつ九條邸跡に弁天さんを奉った厳島神社(いつくしまじんじゃ)があります。
九条家の庭園跡にある拾翠池(勾玉池・九条池)の中の島にあり、広島・安藝の厳島神社の分社の一つで、平清盛が母祇園女御のため現在の神戸に勧請して祀ったのが始まり です。
その兵庫の築島(神戸市兵庫区永沢町)にあった社を九条家の邸宅内に遷座し、九条家の鎮守社となりました。詳しい年代などは不明で、この神社には平清盛の母儀祇園女御も合祀されています。
本殿前にある小型の鳥居は、2本の柱の上に架かる島木と笠木が唐破風の形をしている事から唐破風形の鳥居として珍しいものです。
唐破風(からはふ)は中央部分を弓形に盛り上げ、左右になだらかなに流れる曲線をもった破風(屋根の切妻部分に付いている装飾板の事 )です。
また、北野天満宮摂社伴氏社の中山鳥居と蚕ノ社の三柱鳥居とともに「京都三珍鳥居」のひとつに数えられていて重要美術品に指定されています。
池の周辺には、たくさんの百日紅が植えられていて、夏になると勾玉池のほとりは紅色の花で覆われます。
池にかかる白い橋(高倉橋)と紅色の花、木々の緑が美しいハーモニーを奏でます。
また、厳島神社周辺にも百日紅があり、そこからの風景は池面に百日紅が映り、 あたかも百日紅に埋もれてしまいそうに感じます。
住所
京都市上京区京都御苑内6番地
電話番号
075-211-4769