中世京洛に栄えていた尼五山の第一位、景愛寺の法灯福尼寺を前身とする宝鏡寺は、景愛寺第六世であった光厳天皇(こうごんてんのう)の皇女 華林宮惠厳(かりんのみやえごん)禅尼が室町時代に開山し、後光厳天皇より宝鏡寺の号を賜りました。
伊勢の二見浦で漁網にかかったものと伝えられる聖観世音菩薩を祀る臨済宗単立の門跡尼寺で、百々(どど)御所とも呼ばれ、山号は西山(せいざん)です。
書院をはじめ、本堂・大門・阿弥陀堂・玄関・使者の間の六棟は京都市指定有形文化財に指定されています。 本堂は前後三室からなる六間取の方丈形式で、書院には円山応挙の杉戸絵、円山応震と吉村孝敬が描いた襖絵がはめられています。
弥陀堂は勅作堂ともいい、光格天皇勅作阿弥陀如来立像が御所より移される折りに移築された建物です。
光格天皇より賜った直衣雛(のうしびな)をはじめ、皇女和宮の遺愛の品など多くの人形を所蔵し「人形の寺」として有名です。ふだんは非公開ですが春と秋に人形展が開かれます
一般に、京都や奈良にある尼門跡寺院にはたくさんの人形が保存されています。代々内親王が入寺され、天皇からことあるごとに人形が贈られてきたことに由来します。
昭和32(1957)年秋より人形展を始め、それ以降は毎年春と秋に一般公開しています。
年一回、秋に人形供養祭が営まれるようになり、昭和34年の秋には壊れたり汚れたりして捨てられてしまう人形を供養し、その霊を慰めるため人形製作に携わる人々などによって人形塚が境内に建立されました。
人形塚は、吉川観方(よしかわかんぽう)氏の作で、手に宝鏡を持った御所人形の姿をしており、武者小路実篤(むしゃのこうじさねあつ)氏による「人形よ誰がつくりしか 誰に愛されしか知らねども 愛された事実こそ汝の成仏の誠なれ 」という詩が刻まれています。
現在ではこの塚の前で毎年10月14日に人形供養祭が行われます。
年間行事
3月1日 | ひなまつりイベント |
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3月1日~4月3日 | 春の人形展 |
10月14日 | 人形供養祭 |
11月1日~11月30日 | 秋の人形展 |
住所
京都市上京区寺之内通堀川東入
電話番号
075-451-1550