京都御苑は京都市内の中心部にあって、京都御所、仙洞御所を囲む面積約63haの「国民公園」として終日開放されています。
明治になり東京に遷都されるまでは、宮家や公家の邸宅が建ち並んでいた場所で、それが順次取り壊され現在のように整備されましたが、外周9門やかつての公家屋敷の遺構は多く残っています。
南北1300m、東西700mの長方形で約5万本の樹木が生育し都市の中の貴重な自然空間として人々の憩いの場になっており、散策・スポーツ・自然とのふれあいの場として親しまれています。
二月には梅、三月には桃、三月下旬には枝垂桜(しだれざくら)が咲き始め、四月には山桜も満開となり美しさを競います。
五月の葵祭は、行列の御所車(ごしょぐるま)を葵の葉で飾ることからその名があります。その後、初夏の陽光は強さを増し、夏に向かいます。
クマゼミの大合唱の頃、京都は夏の暑さの真っ只中となりますが、御苑の木陰はひんやりとしていて昼寝を楽しむ人たちもいます。
秋は、御所から行列が出発する時代祭や神社仏閣の特別公開など多くの行事が行なわれ、多くの観光客の方々が京都を訪れます。また、紅葉が見頃になるのは、十一月頃です。
冬には、落葉樹は葉を落としてしまいますが、明るい芝生で日向ぼっこを楽しむこともできます。春への準備がひそかにはじめられます。
“蛙なく県の井戸に春暮れて 咲くやしぬらん山吹の花”と後鳥羽院が詠った歌です。井戸の周りには沢山の山吹がありますが、あがたのいどは現在枯れてしまっているようです。
この付近はもと一条家の屋敷があったところで、この井戸は昭憲皇太后の産湯に用いられたと伝えられており、古くから染井・醒ヶ井とならぶ洛陽の三大名水の1つとされてきました。
昔、この井戸のそばに県宮があって地方官吏になりたいと願う人々が井戸で身を清め、県宮に祈願してから参内したといわれています。
<年間行事>
五月 葵祭
十月 時代祭
住所
京都市上京区京都御苑3
電話番号
075-211-6348
環境省京都御苑管理事務所