夏色の町家
2011年7月26日
台風以来 少し 夏色の風が色あせたかな? いやいや、まだまだ 暑さが戻ってくるかな?
うなぎの寝床の町家の大戸をくぐりぬけた夏風は、通り庭をまるで家族のようにスーと早足で通り抜ける。
蹲(つくばい)の水に誘われてか、庭に出て、緑の葉を揺らすこともままならず、廊下をくぐりぬけ、まるで屋形船に乗って渡るように蔵の前の庭へと進む。 蔵の神さんにご挨拶をしたのかな。 少し間をおいて、離れの簾をくぐり、能座敷で風鈴を鳴らす。 能のバックの生きた松は、その風に喜んでいるようです。 その後、真夏の茶室の庭でも、茶人をほっとさせる。 不思議に家中を駆け巡る風は、じっとしていたら生ぬるいけど、いざ、走る出すと夏の暑さを吹き飛ばす。 夏色の風は、私には「海の青さに似ているような気がする」 離れで聞く車の音が海の船の汽笛のような・・・
そっと呼んでみよう・・。夏色の風は、優しい人を呼んでくるかな?
東北の人々は、優しいあなたを待っているはず。
町家に来てくれてありがとう。 優しい夏色の風さん・・・