今宮神社は、本社には大己貴命(おおなむちのみこと)・事代主命(ことしろぬしのみこと)・奇稲田姫命(くしいなだひめのみこと)、疫神社には素盞嗚尊(すさのおのみこと)を祀っていて紫野神社とも言います。
正暦5年(994)平安京で疫病が流行り、これを鎮めるため御霊会がおこなわれ、船岡山に創建された疫病鎮護の神社が起こりと伝えられ、疫神を鎮める神社として信仰を集めました。
その後、今の地に移り今宮神社となりました。社殿の多くは明治時代の再建ですが、古式の風格を感じさせます。
御霊会を現代に伝えて毎年行われる「やすらい祭り」は疫病除けの祭で、行列の花傘の下に入ると病気にかからないといわれています。またこの祭りは、太秦の牛祭・鞍馬の火祭 とともに京都三奇祭の一つになっています。
境内には手のひらで軽く三度叩いて持ち上げると重くなり、次に願いを込めて三度撫でて持ち上げ、軽くなると願いがかなうという「阿呆賢(あほけん)さん」と呼ばれる石があります。
今宮神社東門を出た所には、門前に並ぶ和菓子屋さんが有名で、名物「あぶり餅」を売る軒のれんの店が向かい合い、江戸時代の社頭風景の名残を思わせてくれます。
「あぶり餅」とは、きな粉をまぶした小さなお餅を、竹串に刺して炭火であぶった後、白味噌の甘だれをかけた餅菓子です。
いずれのお店も日本で最も古い和菓子屋と言われており、過去に疫病が蔓延した際には、「あぶり餅」を人々に振舞ったとも言われています。
あぶり餅に使われている竹串には、今宮神社に奉納された斎串(いぐし)をもちい、病気平癒や厄除けの御利益があると伝えられています。
今宮神社は明治29年本社殿を焼失しましたが、同35年に再建し西陣をはじめ多くの人々の崇敬を集めています。
織物の神を祀る織姫社など摂社・末社も多 く、11月11日、この日は毎年「西陣の日」として、織姫社にて式典が行われています。旧暦の七夕の頃(8月)には「七夕祭」が催されます。
織姫社は、江戸時代に西陣の機織家が、堀川の東西に織物の神としてまつられていた女神を、おまつりしたものであるといわれています。
年間行事
4月第2日曜日 | やすらい祭 |
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5月5日 | 今宮祭神幸祭 |
5月第2(3)日曜日 | 今宮祭還幸祭 |
10月8日 | 例大祭前夜祭(御神楽奉納) |
10月9日 | 例大祭(東遊奉納) |
住所
京都市北区紫野今宮町21
電話番号
075-491-0082