2011年1月22日 16:52
母の言葉
今、小さくなって横たわる母を見て、子供のころよく言われた言葉を思い出す。「ばち当たりさっせ」「神さん見てはる」「嘘ついたらあかん」「自分のことは自分で責任を持つ」「迷惑かけんときや」「賢く聡明であれ」・・・最後に「良く食べて健康で」・・・
口うるさく言われたことが嘘のように、今はほとんど話さない。私の言葉に目を開けて、うなずく口元に何があるのでしょう。きっと「ちゃんと生きや」と眼に映る言葉のようです。
パーキンソンという病気は、足が前に出なくなる。あんなに元気で車を乗り回し、てきぱきお料理を作って、完ぺき主義の母は、今、仏のように見える。何も語らず、うなずき、眼を見つめ、顔に手を持ってくる。時々返す言葉が、「長生きしてや」・・・握った手は冷たく小さく力が無い。冷たい手は、毎日さすることで血の気を取り戻す。母の寝顔は私の歩み。沢山の思い出を有難う。
母がいて私がある。生きててくれて有難う。
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