2010年9月
2010年9月26日 17:19
秋の七草
「万葉集」山上億良の一説に〜秋の野に先たる花を指折りかき数ふれば七種の花 萩の花 尾花(ススキ) 葛花 撫子の花 女郎花(おみなえし) また 藤袴 朝顔の花〜
この中で朝顔の花は桔梗のことだといわれています。漢字をそのまま読んで「きちこう」から「ききょう」に変わって言ったようです。
七草の中でも私の好きな花「撫子」・・・「大和撫子」は日本の女性の美しさを素敵な言葉で表してくれた。私が主催する「古都の風 和道会」と言うお教室も「やまとなでしこになってみませんか」というコンセプトです。なでたくなるようなかわいさ、壊れそうな淡いピンクの色合いと細い茎、細い花びらの揺れる様子がいとおしい。かれてしまわぬように、いつも見に行って気になって、月に照らされる七草の色とりどりの優しさと、月にささげるにふさわしい風合いが感じられる草花達。大気が澄んでくるこの時期に、1年で一番美しく輝いて見える月に感謝と月に宿られている神様が闇夜を照らしてくださる、そんな時期にふさわしい素敵な花花ですね。
2010年9月21日 17:09
宇宙の始まり 「古事記」より
「たかまがはら」と声が聞こえたとたん、天と地が分かれだし小さな光の粉がこの世界に現われた。
宇宙の心そのものである「あめのみなかぬし」の神様があらわれた。次に天の神「かたみむすひ」、地の神「かむみむすひ」の二柱の神々。これが宇宙の始まり。しかし、まだどろどろとしてしっかり固まっていない宇宙から美しい芽が出るように「うましあしかびひこち」と言う命の素となる神様、「あめのとこたち」がお生まれになり、姿の見えぬ五柱の「別天つ神」と呼ばれ、男でもない女でもない、目に見えない大宇宙を動かす神々が現われられた。そこから、又次々に生まれられた神々は、十七柱の重要なお役目を持たれた神々となります。その中には、日本人のご先祖となられた「いざなぎ」「いざなみ」がおられる。「あの泥海の国を整え固め」と命じられたいざなぎ・いざなみは「天の浮橋」からゆっくりとかき混ぜながら塩のしずくで玉を作って地球とした。そして、「おのころ島、日本」に降りてこられた。男と女で夫婦となられ仲良く過され、日本の神を生んでいかれる。
その神々が、冨田屋にもいまだにいきずいておられる。ここからまだまだ、日本の神話続く。お正月には、冨田屋奥座敷に、この、いざなぎ・いざなみの命がまさしく日本国を作られるところをお軸にしたため飾られる。
2010年9月13日 17:28
月
新月 とは太陽と月の黄経差が0度となり目に見えない状態で朔(さく)とも言います。
新月 は美しい浄化のエネルギーを沢山もっていて、何かを始めるのには最適な時刻です。
実際新月の時刻に両手を合わせ、心を宇宙、月に合わせてみればきっと何かを感じることが出来るが姿は現さない。
新月から満ちてくる月は、一夜明けると、眉より細い「二日月」が、少しの時間夕方に見ることが出来ます。そして「三日月」。弓なりにすこし膨らんで美しい姿を見せてくれます。手を伸ばしたくて美しい月に思いをはせたくなる。満月の十五夜まで、毎日毎日膨らんで満ちていく月をこの時期の楽しみにしています。私はなんだか「二日月」が希望や未来をしっかりと見据えているようで好きです。決して美しくないけれど、「よしこれから」と満ち溢れる心を表しているようで夢のあるちょっと貧弱な二日月。こんなふうに思って見てください。満月が楽しみで「豆名月」「芋名月」の行事の準備に入ります。
2010年9月10日 15:10
長月(9月)
9月だというのに暑い日が続き、自然の法則が狂いつつある。
でも、日本には季節を感じる美しい9月の呼び名があります。
秋の夜長でしょう「長月」菊の節句の「菊見月」稲を刈る月「稲刈月」赤もみじが山を染める「紅葉月」そして私の好きな言葉「色取月」色とりどりに秋を飾り美しい木々に囲まれて雪見のころを待つ。台風が通り抜け真っ青な空の下で夏の花が終わりを向かえ、秋の色へと変化していく。彩り豊なとりあわせ、神様が配色を考えて筆をすべらせてくださったようなそんな気になる京の山。茂った青々した絵の具が色を重ねて美しい色をかもし出しているような、神様は絵描きさんですね。頭の中に想像が膨らんでなんだか色づくのが楽しみです。
「色取月」何かに取り付かれたように言葉に出してみる。やっぱり美しい言葉ですね。愛語・・・
2010年9月 9日 16:22
嫋やか(たおやか)で強く
たおやかとは、姿・形・動作がしなやかでやさしく、性質がしとやかで上品なことです。それとは、真反対のいい方だけれど、強く生きる。そんな言葉を今日の櫻井よしこさんの講演で耳に残った。「こんな風に生きたい」と強く思った。たおやかな女性とは、なんだか細く今にも倒れそうで、夢路の世界のような気がする。着物の良く似合う手を差し伸べたくなるような女性、しかし、日本の女性は芯の強さを持ち合わせていて、攻撃的な強さではなく、控えめな夫を蔭で支える上品な女性。家を守る力、ひたむきな美しさ。
言葉とは不思議なもの。いろいろな意味があるけれど、女偏には嫌や妙のようにいやな意味の言葉にもなり、女偏に喜ぶの嬉や嫁・妹・姉・嬢があるが、男編はないですね。
しかし、たおやか・しなやかのような言葉の響きに日本人の美しさを感じた。